大会 ― だいえ ―
- 作者 不明
- 素材 『平家物語』巻十
- 場所 貴船神社
- 演能時間 約50分
- 分類 執心物
■登場人物
- 前シテ・・・山伏
- 面:直面
- 装束:兜巾・無紅厚板・白大口・ 水衣・篠懸、小刀、山伏扇、刺高数珠
- ※ 面を着けることもある。(鷹・黒頭)
- 後シテ・・・天狗
- 面:釈迦・釈迦下(大べし見)
- 装束:赤頭、大兜巾・大会頭巾・色入厚板・半切・袷狩衣・大水衣、大掛絡、経巻、水晶数珠
- 物着に:無地熨斗目、羽団扇
- ツレ・・・帝釈天
- 面:天神
- 装束:黒垂、輪冠・色入厚板・白大口・側次、打杖
- ワキ・・・比叡山の僧正
- 装束:角帽子・小格子板・白大口・ 水衣、掛絡、墨絵扇、数珠
- アイ・・・木の葉天狗
- 面:見得
- 装束:括袴・肩衣
■あらすじ
比叡山の庵室で読経をしている僧のもとへ1人の山伏(天狗)が現れ、命を助けてもらったので「お礼をしたいので、何でも望みがあれば云ってください。」という。僧はこの世では望みはないが、只一つ釈迦が霊鷲山で説法をしているところを拝みたいと云うと、山伏は易いことだが絶対に尊いと手を合わせたりしてはいけないと約束して木の葉を巻上げ乍立去っていく。
木の葉天狗達も手伝い、天狗は釈迦に化けて現れますが、僧が余りの尊さに約束を忘れ、手を合わせ一心に祈ると、とたんに帝釈天が現れる。正体を見せた天狗はさんざんに懲らしめられ、ひれ伏し謝り命からがら岩窟に帰っていく。
■ワンポイントアドバイス
- 大会とは釈迦が霊鷲山で説法をしていることを云う。
-
昔むかし、ある寺の境内で遊んでいた子どもたちが、あやしい光を見ました。都はみんな大騒ぎ。武術の達人にお願いして、光に向かって気合をかけてもらうと、落ちてきたのは一羽のトンビ。トンビは子どもたちにいじめられますが、お寺の和尚さんに助けてもらいました。
実は、そのトンビの正体はいたずら天狗。通常この部分は上演されませんが、近年は狂言方によって行われる場合もある。
■小書
大勢(和)
■舞台展開
- [ワキ・比叡山の僧の登場]
比叡山の僧が、深い山洞の庵で経をあげている。 - [シテ・山伏の登場]
山伏の姿をした天狗が僧のもとを訪れ、以前命を助けてもらった礼を述べ、なんでも願いごとをひとつ叶えてあげます、と告げる。僧は身に覚えのないことながら、この世に望みはないが、釈尊霊鷲山の説法の有様は見てみたい、と述べる。 - [僧と山伏の約束]
山伏は「それはお易いご用だが、その説法を見ても、決して信心を起こしてはいけない」と念を押して消えた。 - [中入り間狂言]
- [説法(大会)の様子]
僧が眼を閉じて待っていると、説法の声が聞こえてきた。
不思議な音楽が響き、仏の御声が聞こえてきたので、僧は眼を開きあたりの様子を見まわした。釈迦如来が現れ、大会の様子を目の当たりにした僧は、天狗との約束を忘れ信心を起こし、涙を流しながら一心に拝んでしまう。 - [帝釈天の怒り]
すると突然大地が響きだし天狗は大慌てを始める。この大会は、実はみな天狗の幻術。僧が拝んだために帝釈天にばれてしまったのだ。帝釈天は天からくだり、天狗をこらしめ幻術を解き、再び天に帰っていく。天狗たちは散り散りに深谷の岩窟へ身を隠した。