百萬 ― ひゃくまん ―

  • 作者 観阿弥
  • 素材 不明
  • 場所 山城国 嵯峨(現・京都市右京区嵯峨釈迦堂 清涼寺)
  • 季節 春
  • 演能時間 約1時間
  • 分類 4番目 狂女物

■登場人物

シテ・・・百萬

面:深井または曲見
装束:長鬘、前折烏帽子、摺箔、無紅縫箔腰巻、長絹、狂女扇、笹

子方・・・百萬の子

装束:縫箔、稚児袴、童扇、黒骨紅妻扇

ワキ・・・里人

装束:無地熨斗目、素袍上、小刀、鎮扇

アイ・・・釈迦堂門前の者

装束:長上下

■あらすじ

吉野の里人が奈良の西大寺の辺りで拾った子を連れて、嵯峨の大念仏にやって来る。そこへ百萬と名乗る女物狂が現れる。女は、念仏を唱え踊りながら、身上を嘆き生き別れた我が子との再会を仏前に舞を奉げて祈り、群集の中に我が子の姿を捜し求めるのであった。里人が連れていた子が我が子だとわかると、仏力に感謝し奈良の都へと帰って行く。

■小書

六字留(金剛)、舞入(宝生、金剛、喜多)、法楽之舞(観世)、替之型(観世)

■舞台展開

  1. 吉野の里人(ワキ)の登場。奈良の西大寺の辺りで拾った子(子方)を連れ、嵯峨の大念仏に行く旨を述べる。
  2. 里人は、釈迦堂門前の者(アイ)に何か面白いものはないかと尋ねる。門前の者は、下手な念仏で女物狂を誘い出す。
  3. 百萬(シテ)の登場、念仏の音頭を取って踊る。仏前に進んで我が子に逢いたいと祈る。
  4. 子は、女物狂をみて、自分の母親だと言い出す。里人は女に国里を問うと、夫と死別し、子とは生き別れになって心が乱れたのだと言う。信心によって子は見つかるだろうと言う里人の慰めの言葉に、百萬は、法楽の舞を舞う。
  5. 百萬は、この世の儚さを歎き、奈良から嵯峨のまで子を探し訪ねて来たことを述べる。
  6. 群集の中に我が子を捜し求め、仏に子との再会を祈念する。
  7. 里人は子を百萬に引き合わせる。母と子の再会。百萬はもっと早くに言ってくれればと一度は恨むものの、夢か幻かとばかりに喜ぶ。
  8. 仏の力に感謝しつつ、奈良の都へと帰って行く。

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曲目解説