放下僧 ― ほうかそう ―
- 作者 不明(宮増説との説あり)
- 素材 不明
- 場所 前:下総・禅僧の居(栃木県)
後:武蔵・瀬戸三島(神奈川県横浜市金沢区六浦町)
- 季節 秋
- 時代 不明
- 演能時間 約1時間
- 分類 4番目 遊狂物
■登場人物
前シテ・・・禅僧・小次郎の兄
後シテ・・・小次郎の兄
面:直面
装束:金入角帽子沙門・大格子・白大口・
水衣・
中啓、(物着:毘念刀)
前ツレ・・・牧野小次郎
後ツレ・・・牧野小次郎
面:直面
装束:梨打烏帽子・白鉢巻・厚板・白大口・側次・太刀・神扇・笹・弓矢
ワキ・・・利根信俊
装束:厚板・白大口・掛素袍・小刀・男扇・男笠・持太刀
アイ・・・信俊の供人
■あらすじ
下野国(しもつけのくに)の牧野小次郎は父の仇、利根信俊を討とうと兄の応援を頼みに行く。出家の身で あるため断る兄を、中国の故事を引用し説得して、2人は仇討ちを計画する。敵に近づく手段として当時流行 していた放下になりすまし故郷を後にする。夢見の悪い利根信俊は瀬戸の三島神社に参詣する途中で 浮雲・流水と名乗る2人の放下に出逢った。団扇の謂れや弓矢のことを面白く語り、禅問答を交わし興に じ旅の供とする。2人はクセ舞や鞨鼓・小歌など様々な芸を披露し相手を油断させ、隙をうかがってついに は敵討ちを果たした。
■みどころ
敵討ちのため放下に変装した2人の芸尽しを見せることに主眼をおいた作品。
『夜討曽我』のように敵討ちそのものが主題ではなく、物語展開の手段としてある。
禅問答の話芸・クセ・鞨鼓・小歌とみどころの多い曲。
■ワンポイントアドバイス
放下とは禅宗で一切の執着を断った僧のことであるが、後に彼等の中から現れた異形の大道芸能をする
人のことを指し、当時流行していた。
同じように敵討ちで芸を見せる曲に『望月』がある。
■小書
各流ともナシ