熊坂 ― くまさか ―

  • 作者 不明
  • 素材 『義経記』など
  • 場所 美濃国 赤坂(現・岐阜県不破郡赤坂町青野
  • 季節 秋
  • 演能時間 約50分
  • 分類 5番目物

■登場人物

前シテ・・僧

面:直面
装束:角帽子、 無地熨斗目水衣、数珠

後シテ・・熊坂長範の霊

面:長霊べし見
装束:長範頭巾、法被、無紅段厚板、 半切、長刀

ワキ・・旅僧

装束:角帽子、水衣無地熨斗目、墨絵扇、数珠

アイ・・里人

面:直面
装束:狂言上下

■あらすじ

都から東国へ修行に出た僧が赤坂の里に着くと、一人の僧から呼び止められる。その僧は、今日が命日の者を弔ってほしいと頼み、茅原の中の古墳を示したのち、自分の庵室へと案内する。その持仏堂には武具が並べてあり、絵像や木像もないので、旅の僧は不審に思って尋ねると、山賊や夜盗に襲われた人を助ける為の道具であると答える。そして、夜も更けたので休むように言って自分も寝室に入ったと見るや、その姿も庵室も消え失せ、旅の僧は草叢の松陰に座しているのだった。僧は夜通し回向をしていると、熊坂長範の霊が現れ、三条吉次一行を襲って牛若丸に討たれた様を再現して見せ、跡を弔って欲しいと頼み、松陰へと消え失せて行く。

■小書

替之型(観世)、長床几(金剛)、床几之型(宝生)、働(喜多)

■舞台展開

  1. 僧(ワキ)の登場。都から東国修行へと出た僧が、近江路を通り、赤坂の里に着く。
  2. 所の僧(シテ)が登場。さる者の命日なので弔ってほしいと言う。誰の回向か尋ねられてもその名は答えず、茅原の中の古墳を示す。
  3. 所の僧は旅の僧を自分の庵室へ案内する。持仏堂に武具が並べてあるのを不審に思い尋ねると、山賊や夜盗に襲われた人を助ける為の道具だと語る。
  4. 所の僧は、お休みくださいと言って、自分も寝室に入るかと思うやその姿は消え、庵室も消え失せて、旅の僧は草叢の松陰に座していることに気付く。
  5. 赤坂の里人(アイ)から、熊坂長範の話を聞き、長範への回向始める。
  6. 旅の僧が夜通し弔っていると、熊坂長範の霊が現れ、三条の吉次一行を襲って牛若丸に討たれた事を仕方話で物語り、回向を頼み松陰に消えて行く。

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曲目解説