源氏供養 ― げんじくよう ―
- 作者 不明
- 素材 『源氏物語表白』
- 場所 近江・石山寺(滋賀県大津市石山寺辺町)
- 季節 春 3月
- 演能時間 約1時間15分
- 分類 本鬘物
■登場人物
前シテ・・・里女
面:若女
装束:摺箔、唐織、鬘扇
後シテ・・・紫式部の霊
面:若女
装束:前折烏帽子・緋大口・長絹・経、鬘扇
ワキ・・・安居院の法印
ワキツレ・・・従僧
装束:角帽子、白大口、
縷水衣、数珠、墨絵扇
アイ・・・石山寺門前の者(ない演出もある)
■あらすじ
安居院(あごい)の法師が石山寺へ行く途中、里女に呼びとめられ「源氏物語」について問答しのあと、 光源氏の供養を頼み消え失せる。法師は女が紫式部の霊だと悟り、光源氏と式部の供養をしていると、 式部の霊が現われ舞を舞い、「源氏物語」の巻の題を織り込みながら、世の無常と弥陀の導きを願い 願文を渡して光源氏の回向を共にする。やがて法師は式部が石山観音の化身であることを悟り、 「源氏物語」もこの世が夢であることを知らしめるためのものであったと知る。
■みどころ
源氏物語の王朝美を能の幽玄美の世界で表現した、文学的情緒あふれる作品。 <クセ>の巻題を織りこんだ謡は名文で、作品の主題である。
■ワンポイントアドバイス
紫式部は石山寺にこもって「源氏物語」を書き上げた、といわれている。
■小書
舞入(観世・宝生・金剛・喜多)
真之舞入(宝生)
脇留(観世・金剛)
語入り(福王)
舞入は<イロエ>のかわりに破掛リの<中之舞> ・語入はワキ方の重い習