絵馬 ― えま ―
- 作者 不明
- 素材 斎宮絵馬の行事と天の岩戸の故を脚色
- 場所 伊勢国、斎宮(現・三重県多気郡神郷町)
- 季節 節分の夜
- 演能時間 約1時間30分
- 分類 脇能物
■登場人物
前シテ・・・尉
後シテ・・・天照大神
面:増
装束:スベラカシ、白単狩衣、緋指貫込大口、鬘扇
前ツレ・・・姥
面:姥
装束:無紅唐織、縷水衣、黒絵馬
後ツレ・・・天鈿女命
後ツレ・・・手力雄命
ワキ・・・勅使
装束:烏帽子、厚板、狩衣、白大口、男扇
ワキツレ・・・従者
装束:烏帽子、厚板、狩衣、白大口、男扇
ワキ・・・蓬莱の鬼
面:武悪
装束:鬼頭巾、厚板壺折、括袴、脚半
■あらすじ
勅使が伊勢神宮にやってくると、日照りを占う白絵馬を持った老人と雨を占う黒絵馬を持った姥が現れ、どちらの絵馬を掛けるか争うが、天下万民が喜ぶようにと今年から両方を掛けることにする。そして、自分達は伊勢の二柱の神だと明かして消え失せる。蓬莱の鬼達が宝物を捧げに現れる。やがて天照大神が天鈿女命と手力雄命を従えて現れ、舞を舞い宮に入り、天の岩戸隠れの故事を再現する。
■小書
女体(喜多)、五段之舞(金剛)、寛之舞(観世)、大勢(和泉)
■舞台展開
- 後見によって小宮の作り物が出される。
- 勅使(ワキ)と従者(ワキツレ)が登場。伊勢神宮・斎宮に着き、ちょうど節分なので絵馬を掛ける神事を見ることにする。
- 白絵馬を持った尉(シテ)と黒絵馬を持った姥(シテツレ)が登場。
- ワキとシテ・ツレの応対。勅使は尉と姥に絵馬を掛ける謂れ、今夜はどちらを掛けるのかを聞く。尉と姥は互いに絵馬を掛け争うが、万民を喜ばせようと二つの絵馬を掛けることにする。
- シテの中入、ツレの退場。尉と姥は、自分達が伊勢の二柱の神であると言い、消え失せる。
- 蓬莱の鬼(アイ)の登場。絵馬の謂れを語り、鬼の宝物を見せる。
- 天照大神(後シテ)、天鈿女命(後ツレ)、手力雄命(後ツレ)の登場。
- シテの舞事。
- 天の岩戸隠れの故事の再現。
- ツレの舞事。
- 高天の原に神が坐し、久しく国土豊かになることを述べ退場する。